ウルトラマン玩具ブログ vol.59　ブレーザーブレス２４の秘密／第４回いま明かす、変身ギミックの裏側！

更新日：2023.07.06

みなさまこんにちは。
ウルトラマンブレーザー玩具企画開発担当のN野です。

いよいよ今週末７月８日（土）は
『ウルトラマンブレーザー』放送開始×「DXブレーザーブレス」発売！
ということで！今週はブログ『DXブレーザーブレス　２４の秘密』も2回連続で投稿します。

さて、４月に情報解禁された「DXブレーザーブレス」ですが、４月のタイミングではブレーザーに関して明かされている情報も少なかったため、
いくら商品仕様の一部といえども、音声の中身など具体的な情報を発信することはできるだけ控えておりました。

そこから間が空いて、作品自体の情報も徐々に公開されていますので
今回はあらためて「ブレーザーの変身プロセス」をおさらいしながら、各要素に秘めた狙いや開発の裏話を補完していきたいと思います！

ブレーザーブレス２４の秘密　＜１４／２４　：　一発変形＞　
まずは、ブレーザーブレスにブレーザーストーンをセットするところから。

ブレーザーブレスの裏側についている電源スイッチを入れると、特報映像などにも登場する“ゲントの左腕にブレスが出現するときの効果音”が鳴り、ブレス本体を光が貫くような起動アニメーションが光ります。

▲主題歌のサビに「星に射抜かれて　ひとつになった瞬間」というフレーズがあるのですが、まさにそんなイメージのアニメーションになっています！

その後、ブレスの赤い側にあるスロットにブレーザーストーンをセットすると・・・
ブレスを覆っていたクリスタルカバーが、『バシュンッ』と一発変形し、真っ黒な盤面が露出します。

ブレーザーブレスの仕様上、一番目立つのはやはりバーサライタを使った光のギミックになると思いますが、
大前提、なりきり遊びを主眼に据えた男児玩具である以上は、
「モノ自体が変形する物理的ギミック」も必ず盛り込むべき要素だと考えています。

個人的には、以前担当したガッツスパークレンスが手動変形だった（その分変形のガシャッと感に振っていた）ので、今回は一発変形の気持ちよさを追求してみました。

デザイン面では、カバーが覆われた状態だとゴツゴツした鉱物感が強いフォルムだったものが、
カバーが開いた瞬間、真ん中に大きくて黒いツヤツヤの穴が現れ“謎の物体Ｘ”感が強調される・・・いうのがポイントです。

ちなみにこのカバーを変身前の状態に戻すには「ストーンを取り出してからカバーを閉じる」という操作が正しい手順なのですが、
「ストーンをセットした状態」では、カバーを戻そうとしても閉じられない（ロックが効かない）構造にしています。

これは、一度ストーンをセットしたら光のアニメーションが次々と流れることから、
間違ってカバーを閉じてしまったときに興をそがれたり、演出を見逃したりすることがないように・・・ということを考えて、意図的に設計しているものです。

カバーを閉じた状態でディスプレイされたい方は、劇中演出同様、ストーンを外してからカバーを閉じていただけると幸いです！

ブレーザーブレス２４の秘密　＜１５／２４　：　ブラックビジョン＞　
次は、カバーの一発変形と同時に姿を現す真っ黒な盤面についてです。

バーサライタのアニメーションが浮かぶこの盤面を“ブラックビジョン”と呼んでみましたが、ここにも玩具的なこだわりがあり・・・。
黒いパーツの成形色を何通りも試作した上で「光の明るさや発色をキープしつつ、中身の構造が透けて見えないギリギリの透明度合い」を選んでいます。

この“中身が見えない”というのがブレーザーブレスにとっては非常に重要なポイントでして、
番組の演出上も「ゲントの腕に突如出現する神秘のアイテム」という描き方になっているため、ギミック由来のメカニックがパーツ越しに透けて見えることは絶対に避けたかったのです。

▲もしもスケスケだとこんな感じ。ハイテク感たっぷりの基盤が潜んでいます…。

構造をすべて隠した上で「真っ暗でなにも見えない盤面に、突如として光が浮かび上がる」からこそ、アニメーションの不思議感・驚きが高まるだろうという狙いもありました。

加えて、実はこの盤面がゆるーい半球状になっていることにより、
本体を傾けた状態で光のアニメーションを見ると、発光部分がすこしだけ奥の方にあるような視差効果が生まれるんです。

▲写真だとどうしても分かりづらいですが・・・なんとなく光が奥まって見えますよね？？

これも、先ほど狙いとして挙げた「ギミックの不思議感を補強する」ことに一役買ってくれているので、実物を手に入れたあとはいろんな角度から眺めてみていただきたいです！

ブレーザーブレス２４の秘密　＜１６／２４　：　振動＞　
続いて、私がこのブレスで気に入っている要素のひとつである「振動」について。

バーサライタの仕組みについては第２回目の記事でご説明しましたが、
内部にモーターを搭載している都合で、回転動作によってモーター特有の動作音がうるさいのではないか？と思われている方もいらっしゃると思います。

この点については、開発技術部門の設計・EL担当がギリギリまでこだわって調整をしてくれた結果、びっくりするほど静かにできました。

もちろん多少のブルブル音はありますが、少なくともSEを阻害するような異音にはなっておらず、過去にバーサライタ系の玩具を購入された方は、技術の進歩に驚いていただけると思います。

ちなみに私が気に入っているポイントは、この「音が静かである」ということだけではなく・・・、
ブレスを巻いて遊んでいると、左腕にたしかに伝わってくるモーターの振動があること・・・!!
これが、ものすごく、イイんです！！

そもそもの駆動音自体が静かなので、振動も「ﾌﾞｰｰｰｰｰﾝﾝ・・・・」という控えめな感触ですが、
むしろ微かな振動であるからこそ「ブレス越しに伝わってくるブレーザーの脈動」のように感じられて、なんだかアガるのです。

パッケージに載せているブレーザーブレスのアイコンは「光る！」「鳴る！」「回る！」の３つですが、こっそり「震える！」を付け加えたいくらい高まるポイントなので、ぜひ実物で遊んでみてください。

ブレーザーブレス２４の秘密　＜１７／２４　：　ブレーザーのアニメーション＞
ブレーザーブレス２４の秘密　＜１８／２４　：　アニメーションの作り方＞　
最後は、待機音後にボタンを押すと発動するブレーザーストーンの変身アニメーションについて、関連する２つのトピックをまとめてご紹介します。

「ブレーザーの変身アニメーションは、ヌルヌル動くアクティブな発光演出にしたい！」というのはもともと心に決めていた要素だったのですが、
具体的にどんなビジュアルが世界観にマッチするのか？は、
既に作品が完成している歴代ウルトラマンとはまったく違ってゼロからの手探りになるので、
円谷プロ様や田口監督にも意見を伺いながら慎重に開発を進めていきました。

開発の手順としては、以前の記事でもご紹介したアニメーション表現のクリエイター「デコボーカル」様にご協力いただいて、「バーサライタで表現したらおもしろそうな演出の動き」を案出しするところから着手しています。

▲流星をイメージした粒子が奥から手前にあふれ出す中、赤と青の光の矢が次々飛び込んでくる・・・みたいなパターン

▲画面奥へと吸い込まれていく赤と青の光輪が、解けて散り、再び形を変えて動き出す・・みたいなパターン

私もバーサライタ玩具を開発するのは初めてだったのですが、画を表示する盤面の丸い形や、回転軌道での発光を意識しすぎると、どこかで見たような動きになってしまう懸念があったので、
あえて左右に動いたり、画面の奥から手前にせりあがってきたり、意外性を重視した動きを数多く検討いただきました。

そうして作られた演出パターンの素案をもとに、ブレーザーのデザイン等から拾った
・ブラックホールやクェーサーのイメージ
・赤と青のライン
・螺旋状のパターン
などの要素とマッチするものをピックアップし、色味や細部のつながりを整えています。

そんなプロセスを経て出来上がってきたアニメーションですが、
これをどうやって玩具の発光プログラムに落とし込むか？が次に立ちはだかるハードルでした。

店頭の試遊機などで一足早くブレーザーブレスの発光をご覧になった方にはお分かりいただけるかもですが、今回の発光演出はすごくスムーズにつながって動きますよね。

これが実は非常に難しいことでして、アニメーションを構成する膨大な数の描画データを、
玩具のＩＣでいかに制御し、スムーズに再生するのかは、開発当初から高いハードルになると考えられていました。

この課題をクリアしてくれたのが、ブレーザーブレスのEL技術を担当してくれた若手開発マン（入社数年ながら最近の変態LEDギミック玩具を数多く手掛けている、文字通り光の超人と呼ぶべき男）なのですが、
元のアニメーション表現のイメージを極力損なわないために、彼が１コマ1コマ繊細な調整を繰り返してＬＥＤ表現へとトレースしてくれました。

こうして出来上がったブレーザーの変身アニメーションが、すでにいろいろな媒体でご覧いただいている完成形となります。

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